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三浦春馬の「Night Diver」が最高だった話

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録画したMステを見る前にTwitterで流れてきたので、頃合いを見て、「Night Diver」を見た。

もう、ひたすらに、あまりにもあまりにも最高だったので、感じたままに書き綴ろうと思う。

 

最初。ぱしゃんと水たまりを蹴り、視界を両手で塞ぐ春馬くん。早送りで目まぐるしく場面展開し、目覚めるように括目した春馬くん。この時点で「うわあ顔が良い…」しか頭になかった。とにかく顔が良い。

 

「瞼閉じて映る世界 そこに君がいるならば もういっそこのままでいいや いつまでも忘れられなくて」

テンポの遅い、ゆったりとした気だるげなメロディ。真っ黒の人たちに囲まれた中、ひとり白いシャツを纏って踊り続ける春馬くん。光と影の対比のようだなと感じた。

途中ブランコのようなものに乗ってぼんやりとしている春馬くん、「彼」を見て、踊っているパートは瞼を閉じた先に映った世界なのかなと、そんな解釈をした。

「ハァ…」のあまりにも色を含んだ吐息にひええと悲鳴を上げたのはここだけの話。あれ未成年聞いちゃだめなヤツじゃない?R指定入れなきゃダメなヤツじゃない??控えめに言ってえっちでした。

 

「明日になれば治まるような 胸に突き刺さる棘の行方 知らんふりして見ないようにして 気付いたら戻れないような気がした
昨日も同じ事考えて結局こんな夜過ごして それでも嫌な感じじゃなくて」

吐息を皮切りに、少しアップテンポになってよりリズミカルになった。

明日になれば治まるようなって言ってるのに、気づいたら戻れないような気がするのは、つまるところそれが己にとっての致命傷に成り得ると無意識に気付いているからで。なかったことにはできないから考えちゃって、いくつもの夜を泳いで。でもそれはマイナスなことばかりではない、を「それでも嫌な感じじゃなくて」と収めるの、素敵だなあと素直に思う。

誰もが、とまでは言えないけど、きっと少なくない人たちが経験したであろう、色んなことを思い返して、お湯に付けたらぴりりと痺れるささくれをなぞるような、ともすれば自分自身をライターの火で焼くような、そんななんともいえない息苦しい夜を、優しく肯定している気がした。

いやまあ、めっちゃ調子乗ってキレイな感じを装って言ってみたけど、過去の自分が言っちゃったこととかやっちゃったこととか思い出して恥ずかしさと苦しみで「アアアアアアアアア」ってなる夜を言ってくれてんのかな!?って私は思いましたという…そういうやつ…。

いや分かってる普通は前半の続きと考える方が正しいのは、分かってるよ別れたあの人を思いだす夜とかそんなんなんだろうなってことぐらいは…。

でもこれはあくまで私の解釈だから!!!好きに語る!!!

でも現実(私の解釈で)の彼は目を抑えて違う、とばかりに首を振ってて、その仕草に私は葛藤とか否定とか、ともすれば「それでも嫌な感じじゃない」自分に苛まれてたりするのかなと、そんな感情を表現しているのかなあと勝手に汲み取ったりもした。

 

「きっと誰も知らない言葉が今僕の中で 渦を巻いてずっとLoop Loop Loop Loopして 吐き出そうと声を出して見てもうまくいかない
My heart beats faster Night Diver」

何かを振り払うようにグンっと力強い仕草で踊る姿。スポットライトの下で、足元の水を巻きこみながらLoopし、走り出し、蹴り上げ、歌詞通り胸の高鳴りをこちらに伝える一連の流れにただただ魅了される。もう…あの…格好いい…最高…。

「吐き出そう声を出して見てもうまくいかない」って、ここだけ見たらちょっとマイナスな力を感じるんだけど、My heart beats fastって訳すると「胸が高鳴る」とか「心臓がどきどきする」って意味で、となるとこの「うまくいかない」も決して、前の表現を借りるなら「嫌な感じじゃない」んだよね、きっと。

この歌の「彼」の中ではずっと、言い表せない感情がずっと渦を巻いていて、それは時に彼自身をも傷つけてしまうほど荒々しい渦だけれど、それでも彼を突き動かすエネルギーでもあるんかなーと。

「Night Diver」の所で色が入って春馬くんがゆっくり目を開けるの、瞼の裏の世界と現実が融合した瞬間みたいで息を呑んだ。美麗ってこういうのを言うんだな…。

間奏のダンスがひたすらに美しく力強く華麗で儚くて最高。アイドルが好きだしダンスを見るのも好きだけれどあまり知識のない私がそれでもなんとか振り絞って言うのならば、めちゃくちゃ「地」を感じるダンスだなーと思いながら見ていた。てっぺんからつま先まで力がみなぎってて、彼自身の命の輝きが生々しいライトと水に照らされて、より一層ダイレクトにこちらに届いている。そんな気がした。

しゅぱって足を上げるところに「うわっ!」って気持ち悪い声を上げてしまったのもここだけの話。

 

繰り返される「Night Diver」の中で、背中合わせの椅子に腰かけていた真っ赤な女性。虚空を見つめてぼんやり腰かけている春馬くんが、「彼」がこの映像の中で初めて認識した他者。ここで初めて、冒頭の「君」が彼女だったのかなという想像の余地ができた。振り返って焦がれるような仕草で彼女を見る所、いやらしい意味でなくセクシーでしたね。セクシー。

いやうん、分かるよ。じゃあさっきまでネチネチ語ってたアレはなんやねんとなる、分かる。でもそう感じたんだからしゃーない。ハイ続けます。

3回目の「Night Diver」でぱしゃんと水たまりを蹴ると同時に、水の中に再び入ったような演出が入るの綺麗。また彼は瞼の裏の世界に入ったのかな。そこに「君」がいるから、彼は抜け出せないのかな。

 

「あの頃に戻れるなら僕に何が出来るだろう 多分何も変わらなくて
きっと今の僕には変えられない」

もう片方の椅子により近くなるような体制で、目を閉じたまま過去に浸っているような顔。彼女を引き寄せるように手を引き寄せ、手繰り寄せる姿。切なげな顔がまた…良い…。

ちらっと後ろを振り返りつつ、「多分何も変わらなくて、きっと今の僕には変えられない」からまた俯いて自分の胸をそっと撫でるの、彼の人間的な弱さや傷つきたくない心が垣間見える気がしてひたすらにso goodって感じだった。雨と白シャツと寂しげで弱さを見せる男は大概にして色気を纏って見えるのは古今東西決まってるんだよ。決まってないなら今決まった。

 

Aの繰り返しの歌詞だけど、力強さがさっきと全然違う。

椅子に座って天高く手を伸ばす所や、こちらをじっと見る視線。そういうひとつひとつが確かな強さを宿している気がする。

と~~~思ってたら~~~~椅子に座って雨に打たれるのな~~~に~~~~~!?そういうの好きって言ったじゃん!!!好きじゃん!!!めちゃくちゃに好きだわ!!!!えっちだな三浦春馬!!!!好き!!!!!

「嫌な感じじゃなくて」の「て」の瞬間にばっと掌を上に翳す瞬間、さっきまで気だるげだった彼が徐々に己の中で渦巻いていたそれを発露させようとしてるんだ、と思った。めちゃくちゃ力強くて、切実という言葉が似合う、そんな感じが。

 

「ずっとこのままで良いわけなんてあるはずもない 弱音吐いた夜をLoop Loop Loop Loopして
情けないこの心に生きる理由を与えて My heart beats faster Night Diver」

ここ、すんごい、すんごくまんまだったね!?いやほんとに、めっちゃまんまじゃなかった!?だよね!?!

いや、「ずっとこのままで良いわけなんてあるはずもない」がさ、さっきの手のひらを上に翳した所から続いてるんだなって。歌詞通りの、彼の葛藤と苦しみとそれでも足掻くさまがありありと映し出されていて、本当に本当に魅入った。

対になった椅子に初めて手をかけて、腕で顔を隠しながらもこちらを見る「彼」が、降りしきる雨に泳ぐように打たれている。ここで彼が初めて、夜を泳ぎ出したんだと、そう感じた。

 

対の椅子に彼女が腰かけてさあ、手を繋いだところさあ。彼女は少し未練がある様子で、ちらりと彼を見たのに、彼は目を閉じて振り返りもしないのさあ…切ない…彼はもう前を見始めてるんだなって…切ない…好き…。

あのブランコの上で手を伸ばして波紋が広がるのも、降り注ぐ雫と滲む灯の中でゆっくりと目を開き上を見上げるのも、どんどん彼が前へと進んでいっている感じがして、本当に、一遍の物語を見ているような気持ちになった。

 

「記憶の中であの日を思い出す くだらないプライドばっか掲げて 知りもしないくせに適当に過ごしてばっか
呆れられて情けなくて嘘をついてた 数え切れないほどの言い訳を積み重ね 大事なもの失って 流れた涙は夜に落ちた」

今まで赤かった女性が今度は彼と一緒の衣装になり、一緒に踊っている。これ、私は「過去」と「未来」、そして「決別」と「前進」なのかなと思った。

そっと手を繋ぐあの瞬間までは「いつまでも忘れられない君」だったんだけど、このままじゃいけないんだって葛藤し続けて、それを「過去」にして、後悔しながら、もがいて、それでも進まなきゃならないんだと前を向いた瞬間、有り体に言えば彼の中で彼女は思い出となって、彼と一緒になったんじゃないかなって。

思い出を抱えて、彼は流れた涙が落ちた夜を泳ぐ。生きていくために。

 

その後のダンスはもう、圧巻の一言に尽きる。顔が見えないほどの激しい雨に打たれながら、けれど彼は力強く泳ぎ続ける。思い出と、たくさんの影と共に、また躓いたって蹲ったって、強く強く泳ぎ続ける。そして閉じていた瞼を開いて、上を見上げた。

空白の椅子にはもうきっと、誰も座らないのだろうな。そこに座っていた彼は、Night Diverとなったのだから。

 

今に始まったことじゃないけど、改めて、三浦春馬の表現する力に何度も何度も感動する。もちろん水の使い方や照明、スローモーションを入れる感性と技術、振り付け諸々あってこそとは思うけれど。それらすべての「渦」になってるのは間違いなく三浦春馬だ。なんてひとだ。すごい。ただそれだけしか言えない。本当に、最高だ。

最高の曲だ、最高のMVだ。最高の俳優だ。見れてよかった。ひたすらに最高だった。ありがとう。すべての方に、惜しみない感謝を。

 

私は、三浦春馬のファンというにはあまりに烏滸がましい。だけどこれから、私が見ていない三浦春馬の作品を見る楽しみがある。

私の中で、春馬くんはずっと泳ぎ続けるのだ。

楽しみだ、楽しみだな。ああ、すごくすごく、楽しみだ。心から言える。

本当に本当にありがとう、これからも。