どうか今は笑ってくれないか

なるようになるって!

私立恵比寿中学の「ジャンプ」が凄まじかった話

すごかった。ひたすらに。

きっかけは私の推しである関ジャニ∞さんの冠番組「関ジャム」で、確かアイドル界のすごいボーカリスト10人みたいな企画だったと思う。その中でエビ中の子たちが紹介されて、その時この「ジャンプ」がふっと流れて気になったので、YouTubeで調べて聴いた。

www.youtube.com

鳥肌が立った。ひたすらに。

こんなにもすさまじい歌があるのかと、脚色でもなんでもなく震えた。こんな歌をエビ中の子たちは歌うのか。知らなかった。

 

世界は楽しいってさ 真っ暗闇じゃないってさ 

どんな未来がみえるか わめき散らしてジャンプしよう

新しい時代の風が僕たちを呼んでいるんだ

桜吹雪が燃えている、あと何度告白できる?

 歌い出し、ちょっと投げやりな歌い方。ほんとかよ、みたいな声が聞こえてくるような感じ。それがわめき散らしてにかかってくる。

桜吹雪が燃えているという日本語、あまりに美しいのに誰もがその光景や、そこに込められた意味をすくいとれるようになってるのすごい。あと何度告白できる?とアイドルが歌うの、めちゃくちゃに鋭い現実で、だからこその真正面からの等身大の愛って感じがして好きだ。ニュアンスだけれど。

 

頬杖ついてため息まじりの胡座をかいた東京の夜空 期待どおりで思いどおりの人生じゃつまらない

非常階段を登ったらビルの屋上には一番星 

手を伸ばしたら、届きそうでさ

 期待通りに、思い通りにならないことばかりの中で、欲しいものがあるなら、怠惰なままではいられない。高く遠い空に輝く一番星に手を伸ばして届かせたいのなら、自分の足で上がらなければならない。

PVの白息やもくもくとした排気ガスも相まって、凍てつく夜空の中必死に走っている彼女たちの呼吸音が聞こえてくるような気がした。

 

だから愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ

本当に大切な事なんかつきとめたりはしないで

がむしゃらに愛を込めて 鳴らすよ 鳴らすよ

馬鹿にしてくれたっていいぜ あなたが笑ってくれるなら

もう一度愛を込めて もう一度愛を込めて

ここの振り付けすごいね~~~!自分たちの胸を叩きながら拳を掲げる、 オタクが見たい光景そのものじゃん…。

愛を込める先は自分自身のからだで、鳴らすのは自分たちの声であり、心であり、魂である。

どれだけのことを言われたって、歌い続ける。愛を込め続ける。あなたの笑顔のために。

泣きますやん、そんなん。(生粋の広島人による渾身のエセ関西弁)

でも冗談抜きに、めちゃくちゃ震えたよここ。

 

毎年増える蝋燭 穴ぼこの空いた心に

おめでとうって言いながら はしゃぎ回ってジャンプしよう

 めちゃくちゃ切ないこと言ってると思ったらめちゃくちゃかっこよくすぐさま回収してくるの良~~~~~!

年を重ねることを憂いている、というか年を重ねるごとに様々なことを経験して、その中で確かに失ってくものもあるだろう。

それらすべてに「おめでとう」って肯定して、まだまだ、まだまだってみんなで追い求めながらジャンプして未来に、もっと穴を増やしにいく。

バスを降りて自分たちの足で暗闇を歩く彼女たちが歌うから余計にぐっとくる。

 

夢は見るんじゃない掴め、嵐の中を駆け巡れ

おとぎ話じゃ終われない、これは心臓のドラマだ

しんどいオブしんどいみたいな歌詞ぶつけてきますやん、無理ですやん…。

特に言及することない、というより言及できるような部分が何一つ無い。文字通り、言葉通り、歌通り。

これは、生きているひとの生きているうただ。 

 

初めてわかったよ恋の痛さ 涙を流した故郷の青さ

鍵のかかった201に歓声は響かない

分厚い扉を開くんだ 帰る場所なんてとうにないだろう

両手広げて、飛んでみるんだ

今だ

 しんどいオブしんどいパート2。内側にこもっていても何も得られなくて、外に出たからこそ初めて分かったものがたくさんある。痛みも涙も、昔の景色を昔と呼べることすらも。

帰る場所なんてとうにないだろう、が外側のくせに「そんなこと言わないで!」って思っちゃったんだけど、そうじゃなくて、もっともっと高く飛びたいから、もっともっともっともっと、あの一番星に届くように。そしてあの「今だ!」の叫び。

深夜の、NHKなんかでたまにやってるイメージなんだけど、動物の跳躍や飛行の瞬間をスローモーションで撮った映像。たまになんでかどうしようもなくぐっとくるやつ。生命のすべてって思わせられるような。

あの時の気持ちを思いだした。

 

夜から朝に。ひたすらに走って、箱の真ん前の駐車場から、果てが見えない道のまっただ中で愛を込める彼女たちのなんと美しく強く輝いてみえることだろう。

PVもずーっとよくて、メロも、それこそずっと旅をしているかのような、疾走感がありつつも郷愁を感じるサウンドが響き渡る。そこに彼女たちの力強い歌声が合わさって、本当に本当に素晴らしい楽曲でした。

烏滸がましいというか、マジのマジで何様という話だけど、もっともっと色んな人に聴いてもらいたいなって思う楽曲だった。

石崎ひゅーいと私立恵比寿中学に惜しみない喝采を上げたい。だからこうしてブログを書くことにした。めちゃくちゃ素敵だった、これはそういう記事だ。

何度でも言うが、めちゃくちゃ烏滸がましいと思う。何様だとめちゃくちゃ思う。でも、やらないよりマシだ。

 

希望の歌はときどき、あんまり眩しくて「そんなこと言われても」ってひねくれちゃう時があるけれど、この歌はとにかく力強くて、どこまでも伸びていく瑞々しい草木のようで、ひねくれる気も起きないくらい気持ちがいい歌でした。

 

めっちゃ最高の歌をありがとう!